焼肉店のメニューには、聞き慣れない部位がずらりと並びます。「カルビとロースの違い」「ザブトンって何?」と感じたことのある方も多いはず。1頭の牛から取れる部位は数十種類にのぼり、それぞれに最適な食べ方があります。この記事では、和牛の代表的な部位と希少部位を整理し、それぞれの特徴・美味しい食べ方を解説します。

和牛の部位は大きく4つに分けられる

和牛の部位は、牛のどこの肉かによって大きく次の4ブロックに分類されます。

  • 肩・前足周り:運動量が多く、旨味が濃い。希少部位の宝庫
  • 背中(ロイン):きめ細かくサシが入りやすい高級部位
  • 腹・バラ:脂と赤身のバランス。カルビの主戦場
  • もも・後足周り:赤身中心。ステーキ・ローストにも

それぞれのブロックから取れる部位を、人気順に見ていきましょう。

定番の人気部位(焼肉で必ず見かける5種)

1. タン(舌)

焼肉の定番「タン塩」でおなじみ。1頭からわずかしか取れないため希少です。根元の「タン元」は柔らかくサシが入り、先端の「タン先」は弾力があり旨味が濃いのが特徴。焼きすぎず、塩・レモンで楽しむのが王道です。

2. カルビ(バラ肉)

焼肉の主役。「カルビ」は韓国語で「あばら」を意味し、肋骨周りの肉を指します。脂と赤身のバランスがよく、タレとの相性が抜群。「特上カルビ」は中バラの希少部位を使うことが多いです。

3. ロース

背中側の柔らかい部位。日本では「ロース」と呼ばれる範囲が広く、肩ロース・リブロース・サーロインなどを含みます。きめ細かくサシが入り、上品な味わいが特徴です。

4. ハラミ

横隔膜の肉。分類上はホルモンですが、赤身のような食感と濃い旨味で、近年特に人気が上昇しています。脂が軽く、量を食べても重くなりにくいのも魅力。

5. サーロイン

ステーキの代名詞。背中の腰側にある柔らかく霜降りの入った高級部位です。焼肉でも厚切りで提供されることがあり、塩・わさびでシンプルに味わうのがおすすめ。

知る人ぞ知る希少部位(中級者向け10種)

6. ザブトン(肩ロースの一部)

肩ロースの中央にある、座布団のような形の希少部位。サシがしっかり入り、口溶けが極上。「特上カルビ」として提供されることも多い、玄人好みの一品です。

7. ミスジ(肩甲骨の内側)

1頭からわずか2〜3kgしか取れない超希少部位。中央に1本の筋(=ミスジの名の由来)が走り、サシのバランスと柔らかさが絶妙です。レアめに焼くのが鉄則。

8. イチボ(お尻の先)

もも肉の中でも特に柔らかく、サシと赤身の両方を楽しめる部位。ローストビーフにも使われる人気部位で、焼肉では厚切りで提供されることが多いです。

9. シャトーブリアン(ヒレの中心部)

ヒレ肉の中心の最も柔らかい部分。1頭から600g程度しか取れない最高級部位で、ステーキの王様と称されます。詳しくはシャトーブリアンの解説記事もご参照ください。

10. トモサンカク(ももの希少部位)

もも肉の中で唯一サシが入る三角形の部位。1頭から1.5kg程度しか取れず、柔らかさと旨味のバランスが評価されています。

11. シンシン(赤身の宝石)

もも肉の中心部にある赤身の希少部位。脂が少なくきめ細かく、赤身好きには堪らない部位です。ローストや低温調理にも適しています。

12. ランプ(腰のもも肉)

もも肉の中でも特に赤身の旨味が強く、適度な柔らかさを持つ部位。ステーキ・焼肉どちらでも活躍します。

13. カイノミ(バラの希少部位)

ヒレに近いバラ肉の一部で、ヒレのような柔らかさとバラの旨味を併せ持つ部位。「貝の身」のような形が名前の由来です。

14. ササミ(バラの中の希少部位)

バラ肉の中央にあるササの葉のような細長い部位。サシと赤身のバランスがよく、焼肉店ではめったに見かけない希少部位です。

15. クラシタ(肩ロースの下)

肩ロースの下部にあたる部位で、サシが綺麗に入りつつ赤身の旨味も強い「いいとこ取り」の部位。最近じわじわと人気が高まっています。

部位選びの3つのコツ

  1. 最初は定番から — タン→ロース→カルビの順で味のグラデーションを楽しむ
  2. 慣れたら希少部位へ — ザブトン・ミスジ・イチボなど、その店の自信作を聞いてみる
  3. 赤身と脂のバランスを意識 — 脂の強い部位の後は、赤身の希少部位で口をリセット

部位を知ると焼肉が何倍も楽しくなる

部位の知識があると、メニューを見るだけで「今日は何を食べようか」というワクワクが変わります。さらに、お店の人との会話も深まり、「次はこの部位を試してみては」と通好みの提案をもらえるようにもなります。

NIKUKAIでは、希少部位を取り揃える名店でのグルメ会を定期的に開催しています。ひとりでは出会いにくい部位を、仲間と食べ比べる機会としても活用いただけます。

まとめ

和牛の部位は、定番5種を押さえたうえで希少部位に手を伸ばすと、焼肉の世界が一気に広がります。等級だけで肉を選ぶより、部位を理解して選ぶ方が、自分の好みに合う一皿に出会いやすくなります。ランクの知識はA5ランクとは?牛肉の格付け・等級の決まり方、品種の知識は和牛・国産牛・交雑牛の違いもあわせてどうぞ。