「ステーキの王様」「肉の宝石」と称されるシャトーブリアン。高級レストランのメニューでは目にしても、実際にどんな部位で、なぜここまで特別扱いされるのかを知る人は意外と少ないかもしれません。この記事では、シャトーブリアンの正体と、その価値・美味しい食べ方を解説します。

シャトーブリアンとはヒレ肉の「中心部分」

シャトーブリアンとは、牛のヒレ肉(テンダーロイン)の中心部分を指します。ヒレ肉そのものが牛全体の約3%しか取れない希少部位ですが、シャトーブリアンはそのヒレの中央、もっとも太く、もっとも柔らかい部位だけを切り出したものです。

1頭からわずか600g程度しか取れない

体重700kg級の牛1頭から取れるシャトーブリアンは、わずか500〜600g程度。1頭からステーキ4〜5枚分しか取れない計算です。希少性が価格に直結し、高級レストランでは100gあたり1万円を超えることも珍しくありません。

なぜここまで柔らかいのか

ヒレ肉は牛の腰のあたり、背骨の内側にあるインナーマッスルです。運動にほとんど使われない筋肉のため、繊維が極めて細かく、脂肪がほぼなく、柔らかさが際立ちます。シャトーブリアンはそのヒレの中でも最も繊維が均一な部分で、噛むというより「とろける」食感が特徴です。

名前の由来

シャトーブリアン(Chateaubriand)は、19世紀フランスの作家・政治家フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン子爵の名前に由来します。彼の専属料理人が、子爵のために特別にこの部位を切り出して提供したことが始まりとされています。

シャトーブリアンの相場

シャトーブリアンの価格は、和牛か輸入牛か、等級、店のグレードによって大きく異なります。目安としては次のとおりです。

  • 輸入牛(アンガス牛など):100gあたり3,000〜5,000円
  • 国産和牛(A4ランク):100gあたり8,000〜12,000円
  • A5ランク和牛:100gあたり12,000〜25,000円以上

高級鉄板焼き店や老舗ステーキハウスでは、シャトーブリアンのコースで一人あたり3〜5万円というのが相場です。

美味しい食べ方

焼き加減はミディアムレアが基本

シャトーブリアンの真価は、柔らかさと繊細な肉の旨味。焼きすぎると硬くなり、希少部位の意味が薄れます。ミディアムレアからレアがベストです。

味付けはシンプルに

塩・胡椒・わさび・ステーキソースなど、シンプルな味付けで肉そのものの味を楽しむのが王道です。脂が少ない部位なので、上質なバターを少量合わせるのも美味。

厚切りで提供されるのが基本

シャトーブリアンは厚さ3〜5cmで提供されるのが一般的です。表面をしっかり焼き、中の温度をゆっくり上げる「リバースシアー」のような焼き方が、柔らかさを最大限に引き出します。

焼肉店でシャトーブリアンに出会うには

シャトーブリアンは本来ステーキ用ですが、近年は高級焼肉店でも提供する店が増えています。焼肉では薄切り、もしくは厚切りで網焼きにし、塩・わさびで楽しむのが定番です。希少なため、入荷日限定・一日数枚限定のことが多く、出会えたら迷わず注文することをおすすめします。

シャトーブリアンを仲間と味わうなら

1人で頼むには高額なシャトーブリアンも、グルメコミュニティならコース全体に組み込まれた形で体験できることがあります。NIKUKAIでは、シャトーブリアンを含む希少部位を提供する名店でのグルメ会も開催しています。

まとめ

シャトーブリアンは、ヒレの中心部分のみを切り出した最高級部位。1頭から600g程度の希少性、極上の柔らかさ、繊細な旨味が「ステーキの王様」と呼ばれる理由です。他の希少部位については和牛の部位完全ガイド、等級の知識はA5ランクとは?もあわせてどうぞ。